お焚き上げは1300年続く美しい日本の伝統文化です。

COLUMN

お焚き上げコラム

2019/11/06
人形供養はどこでも同じは間違い〜絶対外さない5つの選択ポイント〜

人形供養はどこでも同じは間違い〜絶対外さない5つの選択ポイント〜

持ち主が成長して収納に仕舞いっぱなしの雛人形や五月人形、幼い頃から一緒だけどベッド脇に置きっ放しのぬいぐるみなど役目を終えた人形について、お悩みではありませんか?
そんななか「ゴミと一緒に捨てるのは忍びない」と人形供養をお考えになる人が増えています。
ただ、人形供養を考えたときに、ちょっとしたことがわからなかったりします。実はお寺や神社によって方法はどこも同じではないのです。
人形それぞれに歴史や思い入れがある分、安易にお寺や神社や業者に任せてしまわずに、きちんと調べておくと安心です。そこで、人形の役割やお願いする際のポイントなどについてまとめてみました。


■日本でなじみの深い人形

ひとくちに「人形」といっても、伝統の日本人形からリカちゃん人形まで、実に多くの種類があります。私たちが暮らす日本において、古くからなじみのある人形についてお話ししましょう。


<雛人形>
■はじまりと役割


雛祭りのはじまりは、中国渡来の「上巳(じょうし)」の節句にあるといわれています。 中国では、水辺で身を清めることにより穢れ(不浄なもの)を払う習慣があり、これが日本に渡ってきました。奈良時代には、紙でできた人形(ヒトカタ)に自分の名前や疾患などを記して厄を移し、川に流すことによって厄払いを行う「流し雛」が始まりました。平安が舞台の源氏物語でも、光源氏が厄払いのためにヒトカタを須磨の海に流すシーンが登場しています。
医療が満足に発達しておらず、子が幼くして命を落としてしまうことが珍しくなかった時代、親は子の無事をヒトカタに託しました。ちなみに、のちの江戸時代でも乳児死亡率は50%を超えていたとされています。栄養不足や疫病の前に無力だった親の切実な思いを一身に引き受けていたのが人形だったと考えると、その役割の重さを感じずにいられません。
現代では、女の子が生まれると「無事に成長し将来幸せな結婚ができますように」と願いを込め、男女一対の人形を基本として飾り、毎年お祝いをするように変わっています。

雛人形には、主に3つの飾り方がありますが、
三段飾り(五人飾りとも呼ばれ、親王に三人官女の段飾り)、七段飾り(15人勢ぞろいの段飾り)のほか圧倒的人気なのが、親王飾り(最上段の男女一対の人形となる親王さまお二方の飾り)です。省スペースであることが、現代の住宅事情にマッチしているからでしょう。
ちなみにお内裏様とお雛様を「親王」と呼ぶのは、モデルが天皇皇后陛下であるためです。
祖父母や両親からの、娘に対する愛情のひとつの形として贈るのが、現代の流れで、贈る側の気持ちが人形の顔立ちや飾り方に込められています。


■雛人形は受け継ぐ?一代限り?

当初はひとりにつき1つの雛人形を与えていました。「厄を移して厄払いをしてきた」ため、代々受け継ぐものではないとの考えだったようです。
しかし、現代は女の子の数と同じだけ持って保管するのは簡単ではありません。雛人形に対する考え方が厄払いではなく「成長と健康を願うもの」に変わってきたことから、現在は「子どもたちのみならず、家族みんなでひとつの雛人形を大切にする」流れとなっています。


<五月人形>
■はじまりと役割


五月人形のはじまりは、実に紀元前3世紀(今から約2,300年前)の中国の「端午の節句」にあります。
奈良時代の朝廷では、5月5日に無病息災を祈る節会(宮中の宴会)が行われていました。中国と同じように、災いや厄を祓うとされた菖蒲を用いた菖蒲酒を飲んだり、菖蒲湯に浸かって邪気祓いをしていたといいます。
やがて平安時代になると、宮中で行われた邪気払いの武技が民間に広まり、それが鎧飾りとなりました。鎌倉室町の時代には武家の間で「菖蒲」が武を尊ぶ意味の「尚武」、つまり「尚武の節目」として5月5日が大切な日になりました。
江戸時代に入ると、武士にとって命を守る大切な道具である兜や鎧にあやかり、「男の子を病気や災害などから守ってもらえますように」と願い、兜や武者人形を飾るようになりました。
五月人形には、男の子の誕生を祝い、「無事に健康に成長して強くたくましく育ってほしい」という願いと、また「神様の依り代(神様が宿るもの)として家に来てもらい、守ってもらいたい」という願いが込められています。
ちなみに五月人形とセットで親しまれている「鯉のぼり」は、立身出世を願って飾られるのだそうです。


■五月人形は受け継ぐ?一代限り?

雛人形とおなじように、これも説としては「ひとりにつき1つ」とされています。
厄を引き受ける存在として飾られていましたが、現代では、兄弟で一つを持つことが多いようです。


■五月人形にまつわる話し

江戸幕府により、上巳の節句(今の桃の節句)が五節句のひとつと定められました。
五節句とは、唐時代の中国の暦法で定められた季節の変わり目で、年間に五つの節句があります。
・人日:1月7日じんじつ
・上巳:3月3日じょうし
・端午:5月5日たんご
・七夕:7月7日しちせき
・重陽:9月9日ちょうよう

この五節句のうち、「上巳」も「端午」も、実は男女関係なく「子供の成長を願う節句」であり、「厄祓い」となっていましたが、江戸時代からは上巳が女の子の節句として、端午が男の子の節句として定着することになりました。
端午の節句は男女関係なく「子どもの人格を重んじ、健やかな成長を願う日」としてお祝いするのはそのためです。


<ぬいぐるみ>

ぬいぐるみの日本でのルーツは、平安時代から室町時代にかけて「這子(ほうこ)」と呼ばれた布製の人形にありそうです。江戸時代には、雛祭りにも飾られるようになりました。やがて一般の各家庭においては、自らの手で作った人形を子どもに与えて、遊び相手として多く親しまれるようになったのだとか。明治時代には欧米から動物を模したものや指人形、フランス人形などさまざまなものがやってくるようになりました。

ぬいぐるみは、その柔らかな印象から多くの人に受け入れられ愛されてきました。
たとえば、熊のぬいぐるみでおなじみのテディベアは、アメリカ大統領セオドア・ルーズベルトに由来していますが、「生む」「耐える」という意味合いを含む“bear”という英語が使われたものです。結婚式のウエディングベアは多くのカップルの「これからの繁栄と困難に耐えて幸せな人生を迎えたい」という願いを受ける存在となっています。ウエディングベアに限らず、ぬいぐるみというのは“嬉しいことや悲しいこと”があったとき、いつもそばにいる身近な存在です。幼い頃からずっと一緒のぬいぐるみをいくつもお持ちの方は多くいらっしゃいます。


人形供養
■人形供養は日本人の美学!?


ところで人形供養はいつから始まったのでしょうか。
行事としては現在全国で70程度ですが、そのはじまりは新しく昭和30年代です。古い人形の処分に困った持ち主が、東京の人形製造会社に相談したのがはじまりです。お守りやお札の供養はいわゆる宗教行事ですが、ゴミと一緒には捨てられない人の気持ちがきっかけであるのは、宗教とは関係なく「モノに感謝してきちんと手離したい」という日本人の美学を反映したものと言えるでしょう。
余談ですが、筆、針、眼鏡、時計など自分が使った道具に感謝して処分する供養も昭和に入ってからです。製造会社やそれに携わる職人が発起人として今に至っています。


■人形供養の仕方
自分で人形供養する

心からの感謝の気持ちと、供養をしてあげたい思いがあれば、大切にしてきた人形を自分で供養する方法もあります。その際には、必ず自治体の指示に従って、次のことを心がけましょう。

・よごれのある人形は、キレイに拭いてあげましょう。
・髪の長い人形の場合には、髪を束ねるなどしてあげましょう。
・太陽の光に当ててあげましょう。プラスの気で満たされます。
・白い通気性のいい布や和紙で人形を包んであげましょう。
・最後に粗塩を“感謝の気持ちとともに”ふりかけましょう。

自分で燃やす「野焼き」は、法律や条令で禁止されています。お寺や神社で行う「お焚き上げ」は宗教行事ということで、禁止の例外となっています。

人形供養を任せる

人形を処分しようと決めたときに、神社やお寺で人形供養やお焚き上げをしてもらう場合には、次のことを確認しましょう。

■人形供養の素朴な疑問

さて、人形供養の依頼を決めた場合、いくつかの選ぶべき大切なポイントがあります。
その前によくある疑問にお答えします。



直接持ち込まないと意味がない? 

こう考える人が多くいますが、何名かのお寺の住職や神社の宮司にお聞きしたところ、人形供養はあくまでもご本人の気持ちの問題で、ご本人が納得する方法であればどちらでも構わないとのことでした。確かに多忙であったり、体力的な負担が大きいなどの事情で訪問がかなわない場合もありますね。いずれの方法でもきちんと供養してくれるところなら間違いないでしょう。

決まった日があるのか?

人形供養祭など特定日を定めるところもありますが、通年で行うお寺や神社では、特に決まっていないところが多いようです。燃やす行為である「お焚き上げ」をする場合は、天候に左右されるため日が読めないこと、縁起日との兼ね合い、また一定数をまとめて行うお寺や神社がほとんどで、人形の集まり具合によって実施日を決めているなどの事情も関係しているようです。

料金は?

人形の大きさや数、郵送の場合は箱サイズによって料金が変わってきます。一体あたり2,000〜5,000円、一箱あたり(小〜大)
3,000〜10,000円に収まります。個数やサイズが超過する場合は別料金となります。またガラスケースは別途料金、合同供養でなくその人形だけに行う特別料金を設定する場合もあります。
郵送の場合、供養料の他に宅配便の送料や振込手数料を含めた総額を把握しましょう。

次に人形供養をする寺社を選ぶ際の5つのポイントです。


■ポイント1
人形をセットて受け入れてくれるか


雛人形や五月人形で、ガラスケースや、飾りが付いている場合があります。人形本体以外のこうしたものは「自分で処理をしてください」と燃えるものしか引き取ってくれないところもあります。実はこうしたことは、供養を行う側の都合である場合が多いのです。誰もが人形を手離すには軽くない決断をしています。雛人形セットに付属する燃やせない桜や橘、燭台にも意味があり、五月人形の兜も同じです。こちらの想いを丸ごと受け入れてくれるかは重要です。


■ポイント2
きちんと供養が行き届くか


規模の大きな人形供養祭ですと、お祓いや読経が多くの人形それぞれに行き届いているのか疑問な点もあります。お祓いや読経なしで、業者に引き渡すというところもあるため、有名であるからとか規模が大きいから安心ともいえないのが実情です。人形供養としてお願いしていた人形たちが、勝手にアミューズメントパークのおばけ屋敷に飾られていたケースもあります。水子供養として、亡くなった子を人形に見立てて想いを託した親の気持ちはどんなものだったでしょうか。

■ポイント3
決断した時がタイミング


お寺や神社によっては、年1回だけ行うところもあります。
待つ期間が長いと、こちらの気持ちが落ち着きませんし、預けられた人形が長い間暗い倉庫で待たされるかもしれません。実際に供養されるまでの間、どう保管されるのかを確認するのも手ですが、それよりもこまめに供養を行っているところを選ぶのが早いでしょう。


■ポイント4
供養完了の報告があるか


いつ供養されたかも知っておきたいところです。「いつの間にか終わっていた」と後に知るよりも完了連絡や供養証明書の発行があることが大切です。依頼時に振込んだにもかかわらず、連絡すらしてこないところもあるので要注意です。最近はご祈祷や読経の様子を動画で確認できるところもあります。
     
■ポイント5
対応がしっかりしているか


実は人形供養の依頼の際、「人形と一緒に費用を入れて郵送してください」というところが少なくありません。宅配便で現金を一緒に郵送するのは、郵便法違反で運送中に紛失しても文句は言えません。
その他、パンフレットやHPでしっかり説明されているところを選びましょう。HPをまじめに更新しているかも、受け付ける側の姿勢の判断材料になります。
また、お寺や神社、業者問わず、神仏に捧げる火で燃やすお焚き上げが含まれているかも確認しましょう。


■お焚き上げについて

お守りやお札を燃やして浄火するいわゆる「お焚き上げ」があり、1月15日の小正月に行なわれるどんど焼きや左義長として知られています。ただ燃やすモノにより有害物質ダイオキシンを発生することから、最近は近隣の環境に配慮して、東京や大阪などの都市圏を中心に控える寺社も増えてきています。人形供養についても同様の理由で焼納しないケースが増えています。このような事情は時代とともに変化していくものと理解して、お焚き上げをやるかどうかにはあまりこだわらなくてもよいでしょう。

人形やぬいぐるみは、ほかの愛用品とは異なる意味や歴史があることがお分かりいただけたかと思います。人間関係もそうですが、愛着のあるモノとの”別れ方”はとても大切です。ご自分の納得いく方法で、人形に感謝し、きちんとけじめをつけることで、前向きな気持ちになることができれば、素晴らしいですね。


「みんなのお焚き上げ」は人形供養選びのポイントを全てクリアしている神社と提携しています。
お世話になった人形やぬいぐるみに持ち主の感謝を込めて供養いたします。


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