2021/09/17

お焚き上げとは?意味や対象品、ご利用方法は?|ご住職にも聞きました

お焚き上げとは?意味や対象品、ご利用方法は?|ご住職にも聞きました

お焚き上げとは


お焚き上げとは「想いが込もっていて直接捨てるのは忍びないお品」について、神社やお寺に祈祷や読経を依頼して手放すおこないです。
お焚き上げは、ご祈祷やお経などのお祈りを捧げてお品を「浄化」すること、その後にお品を焼いて「浄火」することの二つの行いから成り立ちます。
 
もともとは1年間お世話になったお守りやお札、正月飾りなどをお正月過ぎの小正月(1月15日ごろ)にお焚き上げしていました。現在はそれに限らずにご遺品、愛用品、思い出品など対象が拡がっています。有名な人形供養もお焚き上げの一種です。

最近では、お焚き上げを利用して、親しい人との死別、断捨離、離婚、失恋、終活、引越し、ペットとの死別などさまざまな機会に気持ちの区切りをつけ、人生のリスタートのきっかけにする人が増えています。
お品の処分という面もありますが、モヤモヤを取り除き、気持ちを軽くすることを目的とした心の整理ともいえるでしょう。
 
ちなみにネットでは悲しいできごとや失敗を仲間と共有してスッキリすることを「お焚き上げ」と呼ぶ人もいます。




なぜポイっと捨てられない?


ではもう使わない、他に使う人もいない役割を終えた品をポイっと捨てられないのはなぜでしょうか?
次のいくつかの感情や気持ちのうち、1つもしくはいくつかが絡み合っていると考えられます。
具体的な感情や気持ちとお品を見てみましょう。
 

■ 罪悪感

日本には古くからモノには魂が宿っているとする「アニミズム」という思想があります。
関西の人がアメ玉を「あめちゃん」と呼んだり、女性がモノに対して「この子」と呼んだりするのはその名残です。
魂が宿っていると考えるモノを捨てる際、罪悪感が生じる方が多いようです。

○主なお品:人形やぬいぐるみ、人が写っている写真・年賀状、手紙など


■ 神や仏への畏れ

バチがあたるのではないかという心理が粗末に捨てることに抵抗をもたらせています。

○主なお品:お守り・お札、神棚、仏壇などの神仏具、パワーストーンなどのスピリチュアル品



■ 喪失感

モノを通じて楽しかった頃や亡くなった人を思い出したりすることがあると思います。
これらを捨ててしまうのは過去や人間関係を失ってしまう感覚があるようです。

○主なお品:写真アルバム、子供の作品などの思い出品、親近者の遺品、日記や手帳など



■ 愛着心

長年愛用しているモノに愛着が湧いてなかなか手放せないことはないでしょうか。擬人化にも似た感覚があるようです。

○主なお品:財布、カバン、衣類などの愛用品




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お焚き上げの効果は?


お焚き上げの最大の効果は前に触れた通り、きちんとモノに感謝して手放すことで気持ちが軽くなるということですが、具体的にはどういうことでしょう?

お焚き上げサービスの「みんなのお焚き上げ」の調査で多かったものをご紹介します。
その人の生活環境や心境によって効果は様々なようです。
 
・罪悪感や畏れを感じず穏やかな気持ちになった。
・良い方法で手放せたと自己肯定感が得られた。
・直接捨てると気が引けるがそうしないで済んだ。
・長年の胸のつかえが取れた。
・遺品を天国に送れると思い温かい気持ちになった。
・新しい生活へスタートがきれる。
・断捨離が進めやすくなった
・親の遺品を整理でき子供に負担を掛けずに済んだ。
・運気が上がりそうな気がする。
・生活スペースが広くなった。

ではもう少し「お焚き上げ」について詳しく見ていきましょう。真言宗僧侶の高橋泰源さんにうかがいました。



どんど焼き

 
 

ご住職に聞きました


そもそも「お焚き上げ」とはなんですか?


高橋住職:
本来は「お焚き上げ」とは、魂が宿っているように思えて粗末に扱うことができない品物を、寺院や神社などで僧侶や神主がご供養し焼却することです。
 
お正月にお迎えした歳神様(としがみさま)を炎とともに送るという意味があります。安寧なお正月を迎えられたことへのお礼やお正月のしめくくりとして、門松やお正月飾り、お守りやお札を燃やした火でお餅や団子を焼いて食べ、健康を祈願する地域も多いようです。

「どんど焼き」という言葉をお聞きになったことがあるかもしれません。地域によってどんと焼き、左義長など呼ばれることもあります。

 

お焚き上げはどうやって始まったのですか?


高橋住職:
平安時代の正月に貴族たちは、ホッケーのように青竹で作った毬杖(スティック)で毬(まり)を打ち合う競技に興じていました。お正月が終わった小正月の時期に、毬杖を束ねて、その上に扇子や短冊などを添え、陰陽師が歌いながら焼いたことがはじまりといえそうです。

ちなみにどんど焼きの「どんど」というインパクトのある響きの語源は、たくさんの正月飾りを燃やす際の「どっ、どっ」という音ではないかともいわれています。

 

お焚き上げの対象となるお品は?


高橋住職:
小正月にはお正月飾り、お守りなどが対象になりますが、それ以外でお焚き上げの対象になるものは、主にお仏壇、およびお位牌、護摩札、神棚、お札および学業成就、交通安全等のお守りなどです。
これらは一般的に所有者が入手された際に宗教者が「開眼(かいげん)」あるいは魂入れと呼ばれる儀式を行い、魂を入れます。これによって宗教的なアイコンいわゆる魂が宿ったものとなります。

それら魂の宿ったものを手放すことが「お焚き上げ」で、品物を焼くに先立って魂を抜く処理をすることが推奨されます。

その魂を抜く作業は「閉眼(へいげん)」または魂抜きと呼ばれ、通常は僧侶や神主が独特の手法により行います。
 
あくまで心の問題ですが、私たちのご先祖様はこの国に生まれ、暮らす中で長い間「魂の宿ったものは、魂を抜いてから処分する」という風習を尊重してきました。

お焚き上げは、大切なものは宗教的な儀礼にのっとり、炎とともに処分するという思想を受け継ぎ、現代に至っていると考えられます。
 
先人の知恵の尊重は大事なことですので、少しでも気になるところがあれば、僧侶や神主に依頼して「魂を抜いて焼却」というまっとうなお焚き上げの手順を踏むことをお勧めします。


 

対象のお品はお仏壇やお守りだけですか?


高橋住職:
最近では、亡くなられた方のさまざまな遺品やご自分の想いが込もったお品のお焚き上げを希望する方も増えてきました。
 
例えば写真、人形、ぬいぐるみ、手紙、衣服、書籍などですが、これらは必ずしも「魂が宿っている」という解釈はしません。ただ所有者の愛着があるこれらのお品について、手放す際に「長い間ありがとうございました」と思いを込め、礼を尽くし、別れを告げることで心の安定を保つことができます。

 

お焚き上げに際して心掛けていることは?


高橋住職:
今を去ること1300年、遠い平安の都行事が、時空を超え姿を変えながら現世に生きている。我々宗教者も、依頼者の方がそれぞれの品物に抱かれていた思いのみならず、幾多の先人が生きてきた時代の重みも噛みしめながら、真摯な気持ちでお焚き上げに臨んでいます。
 
高橋住職ありがとうございました。
なるほど、古代からの宗教的な意味合いも持ちながら、現代に合わせて対象となるお品も増えてきているのですね。いずれにしても古くから人々の心の安定のために行われる日本の伝統的な儀式であるということですね。
 
それでは実際にお焚き上げをするにはどうしたらよいのでしょうか。




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お焚き上げはどこでやる?


■ 自分でお焚き上げする

お品に清めの塩を振りかけて、白い和紙に包んで通常ゴミと一緒に出して処分します。

ただ、お品の焼却は昔と違って現在は、ほとんどの自治体が条例で「野焼き」を禁止しています。
 神社やお寺のお焚き上げは、宗教行事として例外が認められていますが、消防署への事前連絡を義務づけられるなど厳しく運用されています。
火災予防やそのほかダイオキシン発生抑止などからご自分で行うのは控えましょう。

 

■ 神社やお寺でお焚き上げする

お焚き上げは神社、お寺、代行サービスに依頼する方法が一般的です。

お守り、お札、おみくじなど神社やお寺から授かった品(授与品)は1年中受付けています。
小正月以外にも神社やお寺のお札納め所、古神札納所では人がいなくても木箱を備えているところもあります。
神社やお寺でお焚き上げする場合の注意点は以下です。



神社やお寺から授かった品以外は確認を

お守りやお札、おみくじなどの授与品以外のお人形、だるまなどは対象外の場合が多いので事前に確認しましょう。

また授与品であれば、どこの神社やお寺でも受け付けてくれるわけではありません。
神社でお寺のお守りやその逆、また同じお寺や神社でも異なる系列や宗派の授与品は受付けない場合もあります。
 
ちなみに神社の系列は稲荷、八幡、神明社、天満宮、諏訪、春日など約20社、お寺は真言宗、浄土宗、浄土真宗、日蓮宗、天台宗など13宗56派もあり、その神社やお寺でしか受付けない場合もあります。
 

古札納め所

 
 
上のイラストのような看板を掲げるところもありますので、事前に確認しておきましょう。
 

■ 意外に手間が掛かるお焚き上げ

神社やお寺の側からすると、お焚き上げは通常のご祈祷や読経と比べて格段に手間が掛かります。

お焚き上げ場などのスペース確保はもちろんのこと、ご祈祷や読経以外に行う作業が多くあります。
ご依頼の多いお寺や神社は月間で数百箱単位の人形が寄せられますので、作業量は相当なものです。

以下は、お焚き上げにおいて、最低限行わねばならないものですが、残念ながら全てのお寺や神社がきちんと対応できているわけではありません。
受付ける品が限定されてしまうのもやむを得ない事情があるのです。

・お品の受付、ご依頼者リスト作成
・ご依頼者からのお問い合わせ対応
・危険物や違法物のチェック
・ご祈祷・読経
・お品の敷地内の移動運搬
・お焚き上げ前の消防署への事前連絡
・お焚き上げ(焼却)
・お焚き上げ場の清掃
・不燃物の業者への引き渡し
・供養証明書の発行・発送

大切にしてきた想いの込もったお品ですから、感謝の気持ちとともにきちんと手放したいものです。
ただどこにお任せしてもいいわけではありません。

次にお任せする際に押さえておきたいポイントをまとめました



神社やお寺選びのポイント


ポイント1 燃えない品も受付できるか


想いの込もったお品はさまざまです。燃えないものは「自分で処理してください」と引き取ってくれないところもあります。

以下は、お焚き上げサービスの「みんなのお焚き上げ」のご依頼が多いお品の調査結果です。
燃える品が多いように見えますが、留め具、装飾などに金具やプラスティックを使用しているケースもあり、それらも含めて想いを丸ごと受け入れてくれるかは重要です。
 
<ご依頼の多いお品>
1位:お守り・お札
2位:人形・ぬいぐるみ
3位:写真
4位:手紙
5位:財布
6位:日記・手帳
7位:アクセサリー
8位:パワーストーン

なお、家電リサイクル法(エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、乾燥機)対象品、危険物、引火物、生き物、遺骨、法令での所持禁止品、神社で不適当と判断した品は一般的に受付できませんので、ご注意ください。


ポイント2 きちんとお祈りが届く


数千点を扱う大規模なお焚き上げですと、お祓いや読経がそれぞれのお品に行き届いているのか疑問なことがあります。
お祓いや読経なしで、業者に引き渡すというところもあるため、有名であるからとか規模が大きいから安心ともいえないのが実情です。
少量でこまめにお焚き上げしてもらうのがよいでしょう。



ポイント3 決断した時がタイミング


お寺や神社によっては、年1回だけお焚き上げを行うところもあります。
待つ期間が長いと気持ちが落ち着きませんし、預けられたお品が長い間暗い倉庫で待たされるかもしれません。
月に1回などこまめに供養を行っているところを選ぶのがよいでしょう。
 

ポイント4 サポートが手厚い


 持ち込みや郵送などの場合、いつ供養されたかも知っておきたいところです。「いつの間にか終わっていた」と後に知るよりも完了報告や供養証明書の発行があることが大切です。
最近はご祈祷や読経の様子を動画で確認できるところもあります。
 
ご位牌を依頼して、料金を振込んだにもかかわらず、入金や完了の連絡すらしてこないという実例もあります。ご依頼者はどんなお気持ちで待っていたのでしょう。
ご祈祷や読経はもちろん大切ですが、同じくらいご依頼者へのサポートやフォローは大切です。
 

ポイント5 対応がしっかりしているか


郵送のみならず持ち込み受付の場合でも、お寺や神社によって以下のように簡易に済ませてしまうことがあります。これでは持ち主のせっかくの気持ちが神様に届きません。
 
・お品が収められている箱から取り出さない。
・ご祈祷や読経を保管倉庫で済ませてしまう。
・ご依頼主名の「読み上げ」を行わない。
・アルバイトの巫女さんがお祓いしている。
 
HPをまじめに更新しているかも、受け付ける側の姿勢の判断材料になります。
また、神仏に捧げる火で燃やすお焚き上げが含まれているかも確認しましょう。

大切なお品を手放すということは、とても重大な決断や勇気を伴うことがほとんどです。
あとで後悔しないようにお品への想いをきちんと受けとめて手放したいものですね。


「みんなのお焚き上げ」はお焚き上げのポイントを全てクリアしている神社と提携しています。お世話になったお品を持ち主の感謝を込めて供養いたします。



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